昭和区九条の会たよりNo.228 (2026年5月9日発行)

総選挙の顛末――まっとうなものだったか、憲法に聞いてみよう

昭和区九条の会代表世話人・憲法学者 小林 武

 昭和区九条の会の皆様には、まずもって、名ばかりの会員であることをおわびします。13年余、沖縄に単身で移住していましたが、一昨年帰郷しました。またよろしくご交誼くださいますようお願いします。

 2月1日、会の結成20周年記念の集いがもたれましたが、あたかもその日は、政治に狂乱をもたらした総選挙のちょうど1週間前でした。この集いで、昭和区九条の会は、あいち九条の会に祝辞を依頼していたのですが、私がそちらのメンバーでもあることから、そのメッセージを伝える形でスピーチをしました。内容は、何よりも総選挙を念頭に置いて、Ⅰ.今回の解散は違憲・無効であること、Ⅱ.自民圧勝の予想は選挙制度のトリックによってもたらされたものであること、の2つのテーマを準備していました。ただ、私の長口舌のために、Ⅰが終わったところでドクターストップがかかりました。――それから2か月、高市政権は案の定、強権の度を増し、アメリカとイスラエルのイラン侵攻では戦争加担への歩を進めています。この時点で、あらためて、この度の総選挙はまっとうなものであったのかを、憲法に尋ねておきたいと思います。

 ひとつは、高市首相が「自分への信任を問う」として勝手に決めた衆院解散ですが、憲法には「解散は総理の専権事項」などとはどこにもなく、69条で、内閣が不信任された場合におこなわれることのみが定められています。7条は、内閣が解散を決めたことを天皇が国事行為として発表するだけの規定であって、解散の根拠にはなりません。かつて、衆院議員であった苫米地義三(とまべち・ぎぞう)氏が7条解散の違憲の確認を求めたことがあります。しかし、最高裁は「統治行為論」を持ち出して判断を回避しましたので、司法の決着はついていません。今度は、私たち有権者が原告となって「第2の苫米地訴訟」を起こしたいものです。ご一緒に相談しましょう。

 もうひとつは、選挙制度の問題です(現在は、小選挙区比例代表並立制)。自民党は単独で465議席中316議席、つまり3分の2を超える68%を占めたのですが、自民の得票率は36%にすぎません。これは「小選挙区制」のマジックの結果です。つまり、1つの選挙区から1人だけ選ぶため、第1党が議席を独占ないし寡占してしまいます。もし、各党の得票率がそのまま議席数に反映する「比例代表制」で衆院の全議席が決まる選挙制度なら、自民は173議席となり、過半数に及ばない大敗で、高市退陣となる結果です。中道は、今回49議席で惨敗でしたが完全比例代表制なら85、国民民主は28だったけれど45、また15の参政党は35、そして4議席に後退した共産は20、れいわ新選組は1のところ13、議席0だった社民党も6となります。――やはり、小選挙区制は民意の反映を決定的に歪めるものとして正当な選挙制度ではなく、憲法上許されないものといわなければなりません。

 この選挙結果により、改憲勢力が圧倒的となり、衆院の憲法審査会でいえば、50人の委員のうち、党として憲法擁護を掲げるところからの委員はわずか1名となりました。一気に改憲の発議、国民投票へ進む気配です。しかし、私たちは主権者国民として、自らが直接声を挙げ、幅広く結束して運動を強め、議会内での立場を共にする少数各政党・議員を励ましたいと思います。昭和区九条の会の憲法を守る努力は、必ずや実を結ぶものと信じます。

 

2月22日、組合で宮古島に行きました。陸上自衛隊の門前での抗議行動に連帯。ちょうど「バンバン」とけたたましい空砲が。「子どもたちの前で、射撃訓練止めよ」のシュプレヒコール。この日は「7th CAMP FESTIVAL」で公開訓練でした。私たちも間近で装備車両(PAC-3)を見ました。
 隊員の多くは35歳前後。その家族の女性や子どもが多く来場していました。無邪気に父親にまとわりつき、装備車両に触れて喜んでいる子どもたちの姿。誇らしげに家族に説明している隊員の姿に複雑な思いを持ちました。この人たちを決して死なせてはならないと思いを強くしました。(会員 T.K. 吹上町)

軍備拡大が進み、憲法を変えようとする動きも強まる中で、戦争が現実になるのではないかと強い不安を感じています。武器による防衛は、戦うことを前提としていませんか。当事者にされるのは、これからを生きる人たちです。
自分たちだけでも「戦わない」という理想を掲げ続け、武力行使の連鎖から降りる。それが「平和への意志」だと思います。今の私たちの選択で、負の遺産を増やしたくありません。武器ではなく、食糧自給や暮らしの基盤を整えることにこそ力を注いでほしいと切に願います。(会員 Y.H.)

高市首相がトランプ大統領との会談で、「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と発言しました。イスラエルと共にイランを攻撃したアメリカにです。「平和とは、国家間だけでなく、個人の生命、生活、尊厳が守られている状態。実現するためには軍事力を削減し武力衝突のリスクを減らすこと、相互理解を深めること」とAIは応えました。これは同感です。「平和」とは真逆のトランプ大統領のやり方を支持した高市首相。世界中の人に言いたい。「多くの日本人は軍備増強も戦闘行為もぜったい反対です!」(会員 K.O.)

先日、ドイツのミュンヘンに行く機会があり、ナチスの罪過を記録する施設のいくつか見学した。ダッハウ収容所では見て行くのが苦しい程だった。同じ人間同士、どうしてこんな事が出来たのか。為政者の考え方次第でこんな凄惨な事が出来てしまう。戦争も同じだと思う。戦争に巻き込まれない為にも、憲法9条は改悪してはならないと思う。[憲法改悪を許さない署名]を興正寺のマルシェ開催日等に集めている。通り過ぎる人も多いが、頑張って下さいと署名してくれる人もいる。微力だが、これからも署名活動は続けて行きたい。

(滝川学区、M.Y.)

In 吹上コミュニティセンター

3/8(日)バイオリンとフルートのオープニング演奏の後、この日のために制作したパワーポイント「鶴舞公園や私たちの街から見た戦争と平和」を観ながら名古屋空襲のことを学びました。その後、80~90歳代の6人の方に『私の戦争体験』を語って頂きました。

「東区の三菱を狙った空襲の流れ玉で徳源寺の防空壕に避難していた妹が亡くなった。妹を戸板に乗せて兄と二人で運んだ小学校の校庭には死体が山積みされていた。妹をそこに置いて帰るしかなかった。」、「空襲はとても怖かった。警報がなると電球に黒い布をかぶせて灯が外に漏れないようにした。B29は『グォ~、グォ~』と低くお腹全体に響く音だった!」、「初めは遠足気分で出かけた疎開生活はひもじくてたまらず、『馬車馬のように働くから家に帰らせて!』と頼んで迎えに来てもらった」、「前日、出兵する叔父の面会に叔母に連れられて福井の小浜に行ったことを覚えている」、「終戦後、鶴舞公園は米軍に接収され、公会堂には星条旗が上がり、憲兵が立っていた。周囲は鉄条網が張りめぐらされていた」「兄は疎開先の犬山から一人で下駄履きで歩いて帰ってきた。足は傷だらけだった」等々どれも先のパワーポイントの映像を裏付ける貴重な話でした。

「私の父は多分戦地で酷いことをしたんだと思う。戦争は人を狂わすんだよ!だから 戦争は絶対やったら いかんよ!」という87歳の女性の「叫び」が印象的でした。

後半は若者2人による歌声にしばし日常を忘れ楽しみました。♫ありのままの私を生きよう♫と歌う彼女らの歌声が戦渦に飲み込まれることのないよう憲法9条と平和を守りたい!!

(パーチェ吹上 F)

平和だから芸術や音楽を楽しめます <第17回昭和区平和美術展へのお誘い>

 今、戦火の中『いのち』の危険に直面し、「恐れ」「悲しみ」「怒り」を抱えて生きている人々に早く平穏な日々が戻ることを祈っています。私たちは、平和な日常のなかで「芸術」や「音楽」を楽しむことができます。

今回の平和美術展では、皆さんの素敵な作品に加えて楽しい企画をご覧いただけます。

開催日時:5月12日(火)~5月17日(日) 10:00~17:00
会場:名古屋市民ギャラリー栄(中区役所内)7階第3,第4展示室
後援:名古屋市、中日新聞社
(企画1)実行委員会と鑑賞者が共に創る共同作品 絵本「スイミー」をモデルに大きな魚に立ち向かう小さなさかなたちの知恵と勇気のパネル展示
(企画2)東邦高校平和実行委員会制作「おかちゃんとピース!」動画上映 絵本の原画を展示します
  (企画3)平和の俳句コーナー(会場で投句できます)
※皆さん、お誘い合わせの上、多くの方のご鑑賞をお待ちしています。

ありんこ作業所より

毎年昭和区平和美術展に、障害の仲間たちが創作活動で描いた絵を出展しています。5月のお出かけは、美術展鑑賞と決まっていて、展示された自分たちの絵を鑑賞した後は、お昼ご飯を外食して帰るのが毎年の恒例になっています。仲間たちならではの感性で描かれた絵画の世界観をお楽しみください。 (K)

平和の俳句

かわな句会選

幼なき子 ハイお土産(みやげ)と 蕗の薹(ふきのとう)  孝子

新婦人吹上支部選

末黒(すぐろ)の芒(すすき) 正義はないぞ 戦(いくさ)には  千鶴子

日時:2026年5月3日(祝)[憲法記念日]13:00-
場所:名古屋市公会堂(鶴舞公園内)
チケット:一般1,300円(各種割引・Web視聴券あり)/チケットピア・セブンイレブンで購入(当日券あり)
第1部<講演>大森淳郎(元NHKディレクター)
   「戦時ラジオ放送」から、今、学ぶこと
第2部<講演>柏木新「”笑い”までも戦争協力-禁演落語と国策落語」
   <口演>林家三平「出征祝」(国策落語)
   <対談>戦前の禁演と国策落語とは何だったのか
4/17(金)に「平和がいいな昭和区の会」が上映した「アナウンサーたちの戦争」にも、昨年の前進座公演「笑いごとではありませぬ」にも通じるテーマですね。

『オールド・オーク』

113分 伏見ミリオン座4月24日より公開
『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』のケン・ローチ監督最新作。分断と排斥の世に放つ、監督最後のメッセージ。
イングランド北部にある炭鉱の町、唯一残ったパブがシリア難民の受け入れにより諍いの場に変貌。パブのオーナーとシリア人女性の出逢いが、奇跡を起こすー喪失と希望を描く心揺さぶるドラマ。 (U)

5月21日(木), 6月18日(木)19時〜20時半
高齢者就業支援センター4階(予定)
※会員の方は、どなたでも参加できます!

ご一緒に「へいわのうた」を歌いましょう♪
5月19日(火)、6月19日(金) 12:00〜12:30

九条の会スーパー前まち宣伝&署名

•5月 9日(土) スーパーヤマナカ前 10:30〜11:00
•5月16日(土) 桜山交差点 12:00〜12:30
•5月21日(木) 興正寺マルシェ 10:30〜11:00
•5月29日(金) 御器所交差点 12:00〜12:30
•6月 9日(火) 八事イオン前 10:30〜11:00
•6月16日(火) 桜山交差点 12:00〜12:30
•6月21日(日) 興正寺マルシェ 10:30〜11:00
•6月29日(月) いりなかバロー前 10:30〜11:00

会 場:昭和区長池町3-27 深田荘101号室
連絡先:「天元」鈴木さん(090-9170-5569)P有
参加費:1回300円/人
(どなたでも参加できます)
日 時:毎月第1・3土 午前10時〜11時45分
5/2(土), 5/16(土), 6/6(土), 6/20(土)

【編集後記】

トランプ米大統領は、「私には国際法は必要ない」などと暴言を吐きながら、国際法・国連憲章違反の先制攻撃をベネズエラ、イランへと次々行っています。イランを爆撃したことで一体何がしたかったのか。結局世界経済に大混乱をもたらしただけで、何の道理もない、大義もない、自分のことしか考えない異常な振る舞いです。この傍若無人なアメリカに対して、日本政府は誇り高い憲法9条を持っているのに何も批判できないばかりか、核抑止力を増大させてゆくとまで国会答弁しています。さすがに若者たちが「高市もう無理」と立ち上がっています。大きな国民的運動で、国際平和を実現しましょう(S)

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