昭和区九条の会たよりNo.212 (2023年11-12月)

私たちは12月8日を忘れない!
―平和のともしびを手に不戦の声を響かせて―

82年前の12月8日、日本がアメリカ、イギリスなどに戦争をしかけ、15年にわたる侵略戦争がはじまりました。今年もこの日、18回目となる「平和のともしびウォーク」を御器所、天神町公園から今池西公園まで行いました。

今年は南西諸島を始め日本各地にミサイル基地、弾薬庫が作られ、軍事費が倍増されるなど、例年以上に戦争への危機感が高まる中で、ともしびウォークでは、楽しみながらも力強く訴えました。

天神町公園では、会員さん有志がこの日のために練習した昭和区九条の会ソング「みんなの願い」のダンスを、集まった人たちと踊りました。体を動かして温まった後は、AJU自立の家のYさん、まつかぜ保育園にお勤めのTさん、御器所学区在住どんぐり保育園のMさんのお話、そして‶バクダンじゃなくて ごはんがいい~♪″で始まる「へいわのうた」をギターとピアニカ伴奏で歌い、今池西公園に向けて出発しました。道行く人に声を届けるピースコールは「9条活かして戦争とめよう!」「軍事費勝手に2倍にするな!」「核兵器のない世界をつくろう!」「国会無視して勝手に決めるな!」などなど、そして、大切な人たちとの当たり前の毎日を守りたい、と歌う「みんなの願い」に、手を振ったり、歌に合わせてリズムをとる沿道の人も見られました。

この日はある会員さんの同僚である21歳の女性が初めて参加し、「このような集まりがあることを今まで知らなかった。とても楽しかったし、大切なことだと思う。また参加したい」と感想をもらいました。昭和区だけでなく他の九条の会でも高齢化が進み、若い人たちとの繋がりを模索しています。このようなうれしい繋がりが拡がるよう活動していきたいと思います。 (編集委員 O)

一年をふりかえって

島津住職(法光寺)

今年一年をふりかえると改めて暗澹たる思いがします。

ミャンマーの軍事政権の市民の弾圧、昨年来続いているウクライナの戦闘、なおかつ10月7日のハマスのイスラエル攻撃に対するイスラエルのガザ侵攻、いずれも収まる様子はなく、いまこの時間にも一般市民の死傷者は増え続けています。冷戦が終わった時は「これからはもう少し平和で安定した世の中が来るのか」と思いましたが、実際は「無理が通れば道理が引っ込む」世界が生まれてしまいました。力の論理が大手をふるう現状に、日本も力を持たなければと政府はいいます。攻撃されないために敵基地攻撃能力をもたないと、集団的自衛権を行使しないと、防衛力を強化しないと・・・。ろくに国会審議もしないままズルズルと先制攻撃をも辞さない軍事国家への道を歩み始めています。かつての日本は状況に流され、誰も責任を取らないまま戦争になだれ込んでしまいました。結果は焼け野が原と300万の犠牲者でした。現代の戦争は当時をはるかに上回る破壊力によって、終わった後は何も残らないほどの惨状を引き起こします。だから戦争をやったら終わりなのです。今ある戦争を止め、戦争をなくす方法を考えなければいけないと思います。憲法は第九条第1項で「武力による威嚇又は行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と宣言しています。

戦後の日本は貧しいが理想を掲げた国でした。その後日本は豊かになりましたが、掲げるものを失いました。もう一度この宣言に立ち戻って、いかに実現するのかが日本政府の、また我々の責任であると思います。そのための外交努力、文化的人的交流をやることはたくさんあると思います。

我々の立場で何ができるか考えてゆきたいと思います。

法光寺住職 島津 通 (昭和区九条の会代表世話人) 

今の政権は、憲法9条を無視して、戦争準備に向かう

20世紀は、第1次、第2次世界大戦が起こり、戦争の世紀といわれました。

21世紀は、平和な世界になると期待しました。しかし、2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻が起こり、今年10月には中東ガザで、パレスチナのハマスとイスラエルの凄惨な戦争が起こりました。このような世界の平和が揺らぎ始めた今、77年前日本国憲法9条を宣言した日本は、どんな理由があっても戦争は「絶対悪」であり、平和外交により解決すると主張すべきです。しかし、岸田政権は安全保障環境が変化したとの理由で、次々と戦争の準備を始めています。5年間で43兆円の軍事費を投入します。

(1)沖縄では、石垣島、宮古島などに抑止力という理由で、自衛隊のミサイル基地や弾薬庫を建設し、島内を戦車が走行しています。

(2)殺傷能力のある武器輸出に関し、政府、与党は共同開発・生産を除いて「できない」としてきましたが、「防衛装備移転三原則」の要件緩和を検討する与党協議で、「否定されていない」と説明を変化させ、国のあり方を変えてしまう解釈変更を密室協議で行ってしまいました。

(3)重要土地規制法が2021年に成立しました。この規制法は、自衛隊の基地や原子力発電所など、政府が安全保障上重要と判断した施設周辺1km以内の土地利用を規制するものです。この問題点は、利用規制の勧告・命令の対象となる「機能阻害行為」の内容が不明であり、誰が、誰を対象にいつ、どこで、どういう方法で、どこまで調査するか不明確で、核心部分をすべて政府の判断に任せていることです。

以上、述べたように岸田政権は、沖縄南西諸島の有事を想定して、戦争準備を進めています。私たちは、このような動きを多くの人々に知らせ、反対していきましょう。

昭和区九条の会事務局長  馬渕 博光

11月5日小春日和の一日
吟行と写真撮影を楽しみました

5月開催予定の平和美術展に向けて鶴舞公園で俳句や川柳を作ったり、写真を撮ったりしながら楽しみました。

吟行参加者15名は川名俳句会の方からレクチャーを受けたのち、公園内を散策しながら2句ずつ短冊にしたためました。その後の合評会ではいろいろな感じ方や表現方法を学ぶことができ、有意義で楽しいひと時でした。写真班6名も思い思いにシャッターを切り、最後はスマホの画面を見ながら感想を出し合いました。5月の平和美術展が楽しみ、わくわく・・・

(平和美術展実行委員 F)

11月3日憲法9条をまもろう
2023愛知県民のつどいに参加

 憲法が交付されて77年になる11月3日、愛知県民のつどいが公会堂で開催されました。講師の田中優子さんは和服姿で登壇し、「今、知るべきこと」というテーマでお話されました。

参加者の感想を聞きました。

「人権」の話から始まった講演は最後までとてもわかりやすく面白く聞くことができた。

「人権とは誰もが生まれたその瞬間から持っているその人らしく幸せに人生を全うする権利である。そのことは永久に犯すことのできない権利として憲法で保障されている。」であるならば「差別」、「格差」、「貧困」、「暴力」、「恐怖」そして「戦争」は決して許されない。

人権を尊重し、国民の幸せに生きる権利を保障することが政治の役割だと改めて思った。

(吹上学区 F)

11月12日戦時下の地図(翻刻版)を片手に大須めぐり

2度の空襲で焼け野原になる前の戦時下の地図(翻刻版)を片手に大須の街を歩きました。(参加者3名)

大正時代から営業を続けるおもちゃ屋さんに立寄り、ご主人に話を聞くことが出来ました。地図を見ながら、「おばあちゃんがこの映画館によく行ってたよ。ここは僕もよく遊んだ所、あっ、ここも!懐かしいなぁ~」

お話を聞く中でご主人が私たちが持っていた地図(翻刻版)の作成にかかわった方と幼馴染であることもわかり、次回はその方の案内で大須の町を歩きたいねと次回の戦跡めぐりに繋がりました。写真は焼けることなく今もそのまま残る富士浅間神社です。

(吹上学区 F)

11月23日平和がいいな昭和区の会 
「ひまわり〜沖縄は忘れない あの日の空を〜」
自主上映会+トークを共催で実施

11月23日(木祝)午後、名古屋市公会堂4Fホールで、「平和がいいな昭和区の会」主催・「昭和区九条の会」共催の「ひまわり〜沖縄は忘れない あの日の空を〜」自主上映会+トークが行われ、小学生を含む約100人が参加しました。

2012年に、沖縄復帰40年企画作品として制作されたこの映画は、1959年、米軍占領下の沖縄県石川市(現うるま市)の宮森小学校に、米軍のジェット戦闘機が墜落し、児童11人を含む住民17人が命を落とした大惨事を題材に、現代の若者が、苦悩を経ながら、事故の生存者との心の交流を経て、平和な沖縄を作ってゆく自覚と行動に立ち上がってゆく様子を爽やかに描いています。まだ「あまちゃん」でブレイクする前の初々しい能年玲奈(現のん)や、才能あふれる須賀健太らの清々しい演技を、名優長塚京三らが支えています。亡くなった小学生たちを演じた子役たち、先生役の福田紗紀らの姿も、涙を誘います。優れた脚本と才能あふれる若手俳優たちや子役たちの見事な演技に、冒頭から最後まで涙が止まらない、秀作でした。

会場は、始まるや否や、あちこちで涙を啜る音が聞こえ、「本当にいい映画だった」「もっと多くの若い人に見てもらいたい」などの感想が聞かれました。

映画の後の、池内福祉会の沖縄職員研修参加者のレポートも、今も米軍と日本政府によって、軍事拠点化が加速している沖縄の現場を見て感じた思いと、平和への強い決意が伝わり、映画の感動を豊かにふくらませるものになりました。

(松栄学区 S)

〇 今、おすすめの映画
ブルーバック あの海を見ていた

センチュリーシネマ(パルコ東館8階)にて1月5日(金)より公開 102分

まばゆいターコイズブルーに彩られた映像美とともに描き出す、母娘で紡ぐ故郷の海への想い―豊かな恵みをもたらすオーストラリアの海に育まれた少女が成長を遂げていく軌跡。環境を脅かすのも人間。守るのも人間。かけがえのない美しい海を守りたい、その姿に心打たれる。ブルーバックこと、巨大な青い魚が登場。主人公アビーと海中で戯れるシーンは必見。 

(九条の会 会員 U)

☆九条の会 成人式宣伝

☆ 1月 7日(日) 市公会堂前 9:00〜10:00

☆九条の会 スーパー前まち宣伝&署名

☆ 1月 9日(火) 八事イオン前 10:30〜11:00
☆ 1月16日(火) 桜山交差点 12:00〜12:30
☆ 1月21日(日) 興正寺マルシェ 10:30〜11:00
☆ 1月29日(月) 杁中バロー前 10:30〜11:00
☆ 2月 9日(金) スーパーヤマナカ前 10:30〜11:00
☆ 2月16日(金) 桜山交差点 12:00〜12:30
☆ 2月21日(水) 興正寺マルシェ 10:30〜11:00
☆ 2月29日(木) 御器所交差点 12:00〜12:30

平和がいいな昭和区の会
御器所交差点スタンディング宣伝

ご一緒に「へいわのうた」を歌いましょう♪
1月19日(金)、2月19日(月)12:00〜12:30

「何でも語ろう会」に参加しませんか!

会場:天元さん(囲碁教室)地下鉄川名駅北徒歩5分
2024年1月20日から移転します。詳細は、事務局まで
会費:毎回150円
日時:毎月第1、第3土曜日 午前10時~11時45分

世話人会:1月18日(木)19時〜

高齢者就業支援センター4階
※どなたでも参加できます!

編集後記

たより編集委員会は5人の会員で構成、分担して協力し合いながら、ウンウン苦労して毎号発行しています。紙面改革の一つとして編集後記を開始。投稿、写真提供、紙面の感想など募集しています。ご協力ください。次号はなんと1月19日発行予定。お楽しみに。ウェブサイト https://showa9.nagoya も見てね(S)

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